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「私は耳が聞こえません」

2008年08月03日 12:26

昨日、お昼前。会場に向かうまでの電車での話。


割と空いている一番後ろの車両。あー今日の譜面を会場着くまでに眺めてなきゃーと思っていると、次の駅でウッドベースを抱えたお兄さんが乗ってきた。私の右隣に、少しスペースを空けて座り、楽器をその前に立てる。ひゃーこうやって舞台じゃないとこであらためて見ると大きいなぁ…楽器弾く人の横で楽譜開くのもなんかなぁ…と思っていると、次の駅で結構人が乗ってきた。



私とウッベ兄さんの間に一人のおじさんが座った。座るなりすぐ、おじさんは楽器を指差してお兄さんにニコニコ話しかけた。話す…というかジェスチャー?あれ?と思って横目で見ていると、手の動きで、おじさんの耳が不自由だということがわかった。

手の動きと表情から、どうやら、おじさんはドラムを叩くらしいということが読み取れた。ウッドベースやピアノ、吹く楽器は難しい、けれどドラムは叩ける、相手をよく見て、合わせるんだ、

そんな話を一生懸命お兄さんに伝えていた。笑顔で頷きつつ…のお兄さん。するとおじさんは今度はクルリと顔を私の方に向けた。オォッ!?と一瞬驚いた私(笑)。


「私は耳が聞こえません」

うすーく聞こえる声と口の動きがそう語った後で、おじさんはお兄さんに話したドラムの話を私にも同じように伝えてくれた。


一通り話し終わったおじさんに恐る恐る、ゆっくり話しかけた。

「ジ」「ャ」「ズ」「で」「す」「か」「?」


小学校の時ピアノの先生から教わって姉と覚えた、手話のあいうえお五十音を遠い記憶から引っ張り出した。


おじさんはパァーッと表情が明るくなりウンウンと頷きながら色々話しかけてきたが、私が五十音しか分からないことをすぐ理解し(笑)、ゆっくりの口の動きと、五十音を混ぜながら、話してくれた。

「や」「ま」「が」「た」

山形ご出身なんですか?と尋ねると大きく頷いた。こちらの話は唇の動きからなのか、普通に聞こえているかのようだった。

「さ」「く」「ら」「ん」「ぼ」


山形。さくらんぼ。おじさんがニコニコ頷く。指文字でたったそれだけだけど、なんだか嬉しかった。



と、そっからヒートアップしたおじさんは(笑)新宿に着くまでの間、私にプチ手話講座を始めてくれた。

小学校、中学校、高校、大学。

昨日、今日、明日。応用で一昨日。明後日。

先週、今週、来週。

数字の数え方。十、百、千。8が難しくて苦戦していると(手の平をこちらに向けながら横に倒し、小指だけ折る)、人差し指だけ折っても「8」でいいと教えてくれた。

ありがとう

頑張る

友達

~下さい

勉強


終点新宿が近づくとおじさんはニコニコしながらカバンの中にあった「手話手帳」みたいなものを出した。簡単な手話や、耳の不自由な人とコミュニケーションとるための文字表みたいなものが書かれていた。

「頑張って」
「勉強」
「して下さい」


そう言って、その手帳を私にくれた(;_;)


受け取って、覚えたての手話で「ありがとうございます」と伝えた。



おじさんはどうやらこれから何かの会議に行かなきゃいけないとか。別れ際、「会議大変なんだぁー」とニコニコ語るおじさんに、

「頑張って」「下さい」

と、覚えたてを使って伝えてみると、とっても褒めてくれた。



話す。伝える。伝わる。


手話講座のテレビを30分見ても一週間で忘れてしまうかもしれない自分だけど、今日おじさんから教わった手話は、多分一生忘れない気がしました。
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