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調律師さんの話。

2009年02月24日 16:14

さて昨日は門下勉強会に調律師の宇都宮誠一さんをお迎えしての講演会。この日をとっても楽しみにしてました。生ピ戻ってこの数年でのご縁のある素敵な調律師さんたちと様々なピアノとの出逢いの中で、また、つっこんでピアノという楽器と格闘するほど、具体的な調律の世界、技術、彼らの耳の中で何が起こっているのかに最近やっととっても興味がわいてきてたのです。


宇都宮さんはピアノの中のアクション模型を持って来て下さっていました。お話が始まり、わくわくわくわくわくわくわくわく…。


しかしお話の内容は、私の期待なんかをはるかに越えて、、もっともっと、調律の向こう側にある、ピアノ自体とか、音楽とか、歴史とか、生き方とか、そういったところに通じる話でした。そのことに、大感動してしまった。調律のノウハウ云々だけではない、いや逆に、そっちの話は1時間なんかじゃもっともっと語れない深い世界なんだと感じることもできた。


何かが発達発展する時代は、関わる人同士影響を受けながら次々と新しいものが産み出されて行く。よってピアノという楽器が大きく変化を続けた1700年~1800年代、その時代は多くの作曲家が産まれた時代でもあり、ピアニストが流行った時代でもある。

ピアノ職人&調律師「こーんなピアノできたぞーー!」
作曲家&ピアニスト「なにーー!ではこの曲を表現出来るピアノは出来るか!?」
職&調「おぉっ!これならさらにこんなことも出来るだろう!」
作&ピ「おぉっ!さらなるイマジネーションが膨らむーー!」


…とこんなやりとりがあったのではと勝手に想像する。そうやってお互いが協力、試行錯誤、影響しながらさらなる先を描き求めていった。このころはまだ、ピアノを作る人と調律する人、作曲家とピアニスト、が同じだったり、お互い影響を受け合う近い存在であったように思う。その後、だんだんと分業になっていった。そのことは各それぞれが専門に専念出来るため発展にも確かに繋がっていったが、反面、一部では個々の世界のノウハウの中だけで成立してしまう面も出て来てしまったのではなかろうか。なるほどきっとどの世界にも共通の話なのかもと思った。


ピアノ職人、そして調律師さんという方々は、ベストな状態のピアノにすることに命をかけている。それが便利になって、製作初期段階での調整はコンピューターである程度制御出来るようになってしまった。彼らにとっては「錬磨する楽しみ」とそれを伝達していくことが奪われてしまったという。過去の職人が何十年の苦労をして見つけてきたものが一瞬のノウハウで出来てしまう。うむーん確かに複雑な想い。そして中には「コンサートチューナーへの道」に行く調律師さんも多いそうだ。ほほぅ。

ちなみに、コンサート用のチューニングと自宅練習用などのチューニングでは全然違うらしい、というか別でなくてはいけないらしい。それはそのピアノの用途が違うから当然のこと。コンサートではその一晩、そのピアニストのコンサートで最高の音楽が奏でられるように調整すること。自宅などでは、出来るだけ長くそのピアノを使えるようにすること。どちらもそれぞれ重要だもの。それぞれにあった調律。なるほど。

でもやっぱりどんなに頑張っても機械では出来ないことがある。ノウハウできかないことがある。演奏だけではなく、それは調律でも同じらしい。ピアノは日々刻一刻変化していくものであるし、調律の世界もなんでもだけど、「人と人とのふれあいの共同作業であるから」。


なんか聞いていて、とってもとっても音楽に関われていることが嬉しくなるようなお話でした。もっと調律ノウハウ話かと思っていたのだけど(それはそれで興味はめっちゃあるのですが笑)、ノウハウや決まったことで「出来ない」ことが楽しい。掴めないことが面白い。掴めないから掴みたくて、でも確かに感じることの出来る「触れる」瞬間が、音楽やっている人間にとって喜びなのかなと、あらためて感じることが出来ました。ましてやピアノは「平均率」(笑)。でもそのもどかしさも含めて、私はピアノが好きかもしれんと思えた。一生求め続けられるし。楽器のこと、調律のこと、楽譜のこと、作曲家のこと、演奏家のこと。。知らないことがたくさん…っす。でもだから関わり合いたいと思う。全部1人でやっちゃおうではなくて、「得意なことと不得意なことを絡み合わせるからこそいいものが産まれる」という宇都宮さんの言葉に、調律という仕事を音楽界の歯車の一部品として磨き上げてきた彼の音楽への愛情というか、そんなものを感じずにいられませんでした。とっても素敵なおじいさまでした。お話聞けてよかった。貴重な時間、有り難うございました。


駕籠に乗る人担ぐ人そのまた草鞋を作る人
かごにのるひとかつぐひとそのまたわらじをつくるひと。
音を弾くひと描くひと、そのまたピアノを作るひと。

うにー。




そいや初対面の方によくつっこまれることがある。
「その…携帯についているのはなんですか?」

「ハンマーです(^▽^)」
むふふふふと、ドラえもんのような笑いで答えていると、なんだか宝物をこっそり紹介している気分で嬉しいような恥ずかしいような。ピアノの部品のハンマーをストラップにして半年。手持ち無沙汰な指で触りすぎて、だいぶフェルトが汚れて来た。そうだ今度、削り方を教わってみたいなー!
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